【現役慶応生が米国MBAの先生と勉強する奮闘記】 ②コンフリクト(対話型)
こんにちは!現役慶應義塾大学生の大川です!
色々なご縁が重なって米国大学院MBAの齋藤先生の元でインターンをさせて貰っています。今回は”組織行動論”の中の「コンフリクトについて」詳しく聞いてみました😆
リーダーシップ論や経営学に興味ある方、就職活動や転職活動に生かしたい方、またはそれ以外の皆さまもぜひぜひ最後までご参照下さいね!
本日もよろしくお願い致します。第2回のお題は「コンフリクト」です!就活の面接時に、「今までに最も苦労したことはありますか?それをどのように乗り越えましたか?」と質問されました。私はサークルで幹部に就いているのですが、幹部の中で対立が起きた経験があります。その時のコンフリクトについて説明しようとしたのですが、焦って上手く言葉が出てこなくて。。(汗) JB先生、コンフリクトについて詳しく教えてください!
大川さん、よろしくお願いします。もちろんお答えしていきますよ。
組織でもチームでも外部とでも、あらゆるところでコンフリクトは起こりますね。そのコンフリクトを上手くコントロールすることはチームの成長に繋がります。まずはコンフリクトとはどのようなものなのか、概要から説明して行きましょうか。
組織内のコンフリクトを上手くコントロール出来たら心強いですよね。その秘密については皆さま必見です!
コンフリクトとは、個人や集団で葛藤・軋轢・対立など敵対関係が生じている状態を指します。なので、一般的には、あまりイメージは良くないですよね。コンフリクトのせいで、例えば組織に悪影響が出たり、業務に支障が円滑に進まなくなることもあり得ますからね。
一方、コンフリクトがあるおかげで、良い効果もあるのです!組織を変革させる力になったり、問題解決のための新しいアイデアを創出したり、また本質的な問題発見に至る場合もあります。組織変革の推進やアイデアの創出が生まれる場合もあります。
コンフリクトは一般的にマイナスのイメージですが、プラスの影響もあるんですね。確かに、一回ぶつかってみることで見えてくる視点や考え方があります。私もあの時のコンフリクトを乗り越えたからこそ、仲間と腹を割って話し合いが出来るようになりました。自分や組織を成長させたい時にも使えそうですね!コンフリクト=絶対に避けるべきものというわけではないんですね。
その通り!ただ、悪影響が出てしまうコンフリクトについては対処していかなければなりません。では実際にどのようにリスクヘッジしていくのか、「コンフリクトマネジメント」について見ていきましょう。
コンフリクト・マネジメントとは、対立関係を解消していくプロセスのことです。コンフリクトのネガティブな影響を制限しつつ、個人や組織のパフォーマンスを高めるポジティブな影響を得るようにするのです。
なるほど。。。負の影響を出来るだけ減らしつつ、正の影響を高めていくことが重要なのですね。
これは大学のサークル内でもそうですし、仕事や転職先でも多くの場所で取り入れることが出来そうです。
コンフリクトを対処する上で適切な手順を紹介します。大川さんは、身近でコンフリクトが発生した時にまずはどのように対処しますか?
私は、まずそのコンフリクトがどのような状態なのか確認するために、その当事者に話を聞いたり、確認作業をすると思います。それからの対応はその時の状況次第な気がします。。。
いいですね。その確認作業はとっても重要です。
ただ、コンフリクトが発生してもすぐに処理をするのではなく、まずは状況を分析・理解するようにしましょう。言い換えると、コンフリクトの根底にある要因は何か?を探るようにするのです。
ところで、なぜコンフリクトは起こるのでしょうか?大川さんは何か思い当たりますか?
そうですね。。。
私は先述通り運動系サークルで幹部を務めているのですが、「ほとんど練習に参加しない子を試合に出すのかどうか」という問題に対する意見に相違がありました。副代表はまずは勝利が優先で上手い子は出すべきと言うのですが、私と代表はその他の大勢のメンバーを代表するべき姿勢や態度も大切だと思っていて、ここで対立が起きました。これは考え方の違いからくるコンフリクトな気がします。
なるほど、考え方の違いがコンフリクトを起こすと思ったんですね?大正解です。
コンフリクトが発生する要因は様々あるんですが、主に環境要因と個人的要因に分けられます。環境要因は主に①資源の希少性、②相違、③仕事関係の3つが挙げられます。大川さんのケースはまさに②の相違が当てはまるんだと思います。その人の立場や所属によっては、目標とか重要度が異なることからコンフリクトが生じるということですね。
補足として①③についても話しておくと、①社内資源(お金、人材、設備等)には限りがありますよね。当然、関係者同士で取り合ってしまうようなコンフリクトが発生するのも予想しやすいところです。
もう一つの③仕事関係ですが、これもよくあるコンフリクトの1つですね。例えば、協働作業をしていると、仕事の責任問題や評価について折り合いがつかずコンフリクトが発生するケースです。
たしかに。。。会社の中でもそれぞれ目的や属性が違うから、「予算をください!」と複数の部署から言われても均一に配分なんか出来ないですよね。妥協点を見つけることが大事なのかもしれませんが、なかなかそう簡単に上手くも行かない気がします。。。
社会人って中に入ると色々難しい面があるんです。。。
さらに、コンフリクトが発生する要因は環境だけでなく個人的感情もあったりします。相手と「馬が合わない」とか「良い印象」を持てない場合がありますよね。例えば、相手の仕事対する向き合い方に、少しイラっとするなんてあるじゃないですか。これも感情的なコンフリクトに含まれるわけです。ただ、仕事以外のことですから、感情で人を判断せずに、その人を受け入れることが大切になります。
究極、『どうしてもこの人とは合わない!』っていう人が誰しもいますよね。。私もいますが、仕事相手として上手く付き合っていかないといけないですもんね。。。その矛盾を飲み込んで社会人になるのは少し怖いんですが、何か対処することがあるんでしょうか?
難しい場合もありますが、MBAで学ぶコンフリクトへの反応方法を教えておきますね。これは5つあります。
①協調
双方の意見が合致し、それぞれが問題に対してコミットできるような手法です。協調性のある姿勢とオープンな対話、異なる観点から複数の視点や洞察を取り込むことで、双方がwin-winになる可能性が高くなり、コンフリクトマネジメントにもっとも適しています。
②競争
一方が権力などを用いて高圧的に緊急事態等を解決しようとする方法がこの「競争」です。例えばコンフリクトを起こしているプロジェクト・メンバーの責任者から、事態の収集を取り計らってもらう場合「強制や指示」の解決法を採用したことになるでしょう。ただし、この手法は一方の意見を握りつぶすことになるためwin-loseの関係になります。
①協調はどちらもwin-winになる理想の手法ですね。一方、②競争は片方が強制的に対処されているので出来るだけ避けたいところです。時には必要な時もあると思いますが。。、
③適応
相手の意見や要求を自発的に取り入れて、相手のニーズへの立場を認め、調和と関係を維持するため、自分の意見を押し殺してしまうような反応です。ただし、自分の意見が通らないためlose-Winの関係になります。
④回避
お互いに解決を避け、対応する準備が整うまで、または他の誰かが解消するまで課題を先送りにする手法です。お互いの意見が見直されることはなくlose-loseの関係になります。この手法では根本的な解決にはなっていないため、改めて対策を講じる必要があります。
③は自分の方が部下だったり立場が弱かったり、取引先相手の場合に行われやすいですよね。また、④は双方に進展がなかったり損することになります。
⑤妥協
双方の意見の妥協点を探り、コンフリクトを一時的または部分的に解消していく手法が、文字通り「妥協」です。ただ、お互いの意見が完全に通された状況ではなく、あくまでも妥協に過ぎないので双方にとって不利な状況に終わることもある手法にもなりえるため、注意が必要になります。
私たちは主に①協調と⑤妥協を意識した方が良い気がします。YesかNoの2択の答えを導き出すのではなく、双方にとってより良い第3の選択肢を広げられたら良いですよね。対処していくにもむやみに解決を目指すのではなく、まずは適切な状況把握が必要なのは言うまでもありません。
そうそう、その通りです。やみくもに解決を試みると逆にコンフリクトが悪化することもありますからね。
とにかく対処法には正解がないので、大川さんが指摘してくれたとおり状況把握してからの対処法を選ぶことです。ただ、注意した方がいいのが、あまり状況把握に時間をかけ過ぎて"放置状態"にしてしまわないことが大切です。コンフリクトの放置は、かえってコストがかかってしまうんですよ。
自分と相手の関係や、その状況次第で対処法を選択し実行することが大事ですね。そのためには、自分が持ちうる選択肢の幅を広げておくことも大切ですが、経験値も乏しい自分にそんな高度なことが出来るのか不安になります。少しでも選択肢を誤れば火に油を注いでしまいそうで。。。
大川さんが不安になる気持ちも分かります。社会経験が少なければ、実際の実務で大規模なコンフリクト解決に直接は関わることはあまりないでしょう。ただ、社会人になれば大なり小なりコンフリクトは経験することになります。
なので、ここでコンフリクト解決のキーポイントを押さえておきましょう。
5つのポイントを意識するだけで相当の効果がありますよ!
①対立相手との共通ゴールが何かを明示することです。
②コンフリクトが発生している相手への個人的な感情をできるだけ排除して、問題に集中することです。
③「人が何がほしいもの」である要求ではなく、「人はどうして欲しいのか?」の興味を探ることです。そうすることで妥協できるポイントや新しく代替案が生まれるかもしれません。
④win-winへの機会づくりを常に意識することです。
⑤常にそのコンフリクトにある両者の公平を考えることです。
コンフリクトは必ず起きるため、避けるようにするのではなく、適切な対処方法を身につけることがポイントですね。今日学んだことは、上の立場の人だけでなく、誰もが活かすことができますね。
なので、教えてもらった内容をもう一度考えて、自身の就活対策に活かしていこうと思います。過去の失敗したケースや成功したケースなどを対比させて、その経験から自身がいかに成長したかを話せることができれば、かなり高いアピールになるかな?と思いました。
いいですね~その調子です。
加えて、面接先とのwin-winの関係を考えていければ、他の就活生と差をつけることが確実ですよ!
さて、今回は「コンフリクト」について学んでいきました。次回は「権力と影響力」についてJB先生に教えてもらおうと思います。組織の中では権力や上司とは向き合っていかなければなりません。なぜ権力は必要なのか?上手く人を動かすコツとは?色々と聞いてみたいと思います!ということで、次回もお楽しみに!