【10/26/2024】 第10回HCR勉強会!

少し前になるが、UMassの有志が集まってHuman Resourceについて勉強する会 HCR(Human Capital Resources)に出席した。今回で10回目の開催になるが、私は2回目の出席になる。

主催者のKoichiは某企業の人事畑でキャリアを積んできた優秀な人材である。この勉強会は、彼がいつもトピックを考えて、それについてみんなでディスカッションをする。そして、今回は少し嗜好を変えたトピックだった。

上の写真は今回配布された資料である。これを見て驚いた。この資料は、通常、新ビジネス創出のために、自分たちのAS-IS(現状)やTO-BE(目標)などを整理する目的で使われる。通称、ビジネスモデルキャンバスである。以下事例もあって非常にわかりやすいので貼り付けておこう。

ビジネスモデルキャンバスとは?

ただ、今回は人材開発がテーマであり、キャンバスに記載されているものをモノや会社ではなく人に変えて考えてみるという試みである。「(心の声)なるほど、つまり自分(人間)をモノとして考えれば、今の社会にどのように関わっているのか?を多角的に分析できるというわけか」

組織行動論を教えているので、こういうのは大の好物である(笑) 

今回は、その中でもビジネスモデルキャンバスを始める上で必要な3つのキーポイントを紹介したい。

①Who you help?

ビジネスモデルキャンバスで、まず最初に考えるのが、右端にある「その価値は誰をハッピーにさせるのだろうか?(Who you help?)」だろう。モノであれば、価値を提供する顧客であり、人材で考えると自分の持つ価値は誰に一番刺さっているのだろうか?を考える。私はこれを”企業”と学”生(社会人大学生含む)”を入れた。ただし、ビジネスモデルをもう少し明確にしたらターゲットを絞ることが大切だろう。広いターゲット層になると戦略が曖昧で抽象的になり具体的なアクションが取りづらくなるからだ。

②How you help?

次に、真ん中にあるValue propositions(How you help?)を考える。これは、モノで言えば「顧客にどのような価値を提供しているか?」であり、人材ならば「目の前にある顧客(仕事相手)に自身がどのような価値を提供できるのか?」ということである。ただし、この個所はとても大切である一方、答えるのが非常に難しいところがある。

というのは、自分が認識する価値と他人が認識する価値は、通常違う場合が多いからだ。

自分の価値は誰を幸せにできるのだろうか?ここが分からなければビジネス(モノであれば売上、人であればキャリア)には繋がらない。だからこそ、他人(もしくはステークホルダー)が欲しいと認める(自分の)価値を知ることが大切なのである。

そこで、その自他から認識される価値を発見するツールが必要である。その一つが、ジョハリの窓だ。ジョハリの窓についてはうちの慶應生インターンがブログを書いているのでそれを参考にしてもらいたい。

【慶應生が学ぶ】ジョハリの窓について

ちなみに、私はこの中身を「(売れない)俳優で培った”人との距離感”」と「ゴールドマン他外資系金融で培った”日本人のリアル英語”」と書いた。もう少し絞らなければ、who you helpと一貫性のある関係が成り立たないが、自分の特徴や価値の棚卸をしてから絞り込めばよいだろう。

③Who helps you?

そして、3つ目が、左端にある「その価値を支えてくれるのは何だろうか?(Who helps you?)」である。その価値をサポートしている人は誰なのだろうか?他とのディスカッションでは、家族や友人という意見が多かった。

実際に私が書いたのは、企業であり親とした。少し下世話な話だと、お金の出し手である。私の場合教育事業なので、企業や親御さんが私のValueにお金を出す。誰があなたを助けてくれるのか?を明確にするというのは、社会で働く上での基盤になるのでので、そこが不明確だと収入源が不明になってしまう。企業は人材を育成したい。当然だが、人が企業を支えているからだ。このビジネスモデルキャンバスは曖昧な記載は極力避けた方が良いのである。

Value propositionsとWho you helpやWho helps youの間に挟まれた4つの項目だがこれらの説明は割愛する。3つのキーポイントを繋げるための具体的な手段と思ってもらえればよいだろう。他にも、左下のコスト(What you give)と右下の収入(What you get)とあるが、通常の会社に属するビジネスパーソンの場合は、特別な記載をすることはない。

2時間ほどの勉強会だったが、他の参加者の発表を聞きながら、それぞれの持つリソースやValueを聞けて非常に勉強になったと思う。汎用的に使えるモデルだなと思った。

もっと時間をもらえば、もう少し具体的に書くことができたのだが、また今度の機会にしたいと思う。

皆さん、お疲れ様でした。年に2回しか開催しないのですが、毎回良い会になっていますね。