【現役慶応生が米国MBAの先生と勉強する奮闘記】 ⑤ジョハリの窓(対話型)
こんにちは!現役慶應義塾大学生の大川です!
色々なご縁が重なって米国大学院MBAの齋藤先生の元でインターンをさせて貰っています。今回は”組織行動論”の中の「ジョハリの窓について」詳しく聞いてみました😆
リーダーシップ論や経営学に興味ある方、就職活動や転職活動に生かしたい方、またはそれ以外の皆さまもぜひぜひ最後までご参照下さいね!
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第5回ということで、本日もよろしくお願い致します。今回のお題は「ジョハリの窓」ということですが、この単語は初めてお聞きしました。自己分析に関わるもののようですが、そもそもジョハリの窓とは一体どのようなものなのか、就活にどのように活かせば良いのか、JB先生教えて下さい!
ところで、人ってなぜ仕事に対して満足や不満足を引き起こしてしまうのでしょうか?大川さんは何か思い当たりますか?
「ジョハリの窓」は多くの方にとって聞き馴染みのない言葉ですよね。大川さんが知らなくても不思議じゃないですよ。
ただ、「ジョハリの窓」って、上手く使いこなすことができれば、自分と向き合うきっかけにもなりますし、それが就活の成功にもつながっていくものなんですよ。
今回もMBA流に一緒に学んでいきましょう!
はい、よろしくお願いします!
まず定義をしましょうか。「ジョハリの窓」とは、2人の学者が発表したモデルになります。サンフランシスコ州立大学の心理学者である、ジョセフ・ルフトとハリ・インガムの2人の名前を組み合わせて、「ジョハリの窓」という名前が付けられました。
一言でまとめると、ジョハリの窓は「対人関係における気づきのモデル」と言えます。コミニケーションの促進や能力開発、キャリアコンサルティングのフィールドで利用されている自己分析ツールの一つで、このツールを使って自分自身を再発見したり、他者との関わり方を見直すことが出来るのです。
他者との関係性から自分自身を見つめなおすですか。。。基本、仕事やプライベートにおいても人との関わりは避けられないので、相対的に自分を客観視することができれば、よりベターな生活できそうですね。
そうなんですよ。ただ、ちょっと定義だけだと分かりづらいので具体例を使って話しますね。
AさんはミーティングでのBさんを見て、「Bさんはいつも話し方が論理的だから、周りの人は意見を言いにくいなぁ。仲間なわけだし、早いうちに何でも話し合える方が良いんじゃないかな?」と思っていたとします。
一方でBさんは、「存在感を示しておかないと…でも、本当はもっと皆とやり取りしながら仕事を進めるのが好きなんだけど…」と心の中で考えています。
ここではBさんに対する認識が、両者で異なることが分かります。この両者の認識の差を解消するためのツールがジョハリの窓であり、個人の成長やチーム内の信頼関係向上を手助けしてくれるんです。
確かに、自分が考えている人物像と、他人が思っている私への認識にはギャップがありますよね。私も意外と感情豊かだね等言われることがあります笑 このギャップが良い方向に進めば良いですが、損しないためにも上手く使っていくことが重要なんですね。
そうそう!対人関係において負のギャップが生じてしまってはもったいないので、ぜひ活かせるものはプラスの方向に活かしてほしいです!
続いて、ジョハリの窓の中身を紹介していきましょう。
ジョハリの窓のタテの格子は「自己について周囲(他人)が知っている領域or知らない領域」を
ジョハリの窓のヨコの格子は「自己について自分が知っている領域or知らない領域」を
組み合わせた4つの窓から構成されます。
言葉だけだと分かりにくいので整理するとこんな感じでしょうか。
「他人から見る自分への視点」と「私から見る私への視点」
それぞれを更に既知の情報と未知の情報に分けて考えるのですね。
素晴らしいです。その図を参考に、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょうか。
まずは①「開放の窓」です。これは自分も周囲(他人)もわかっている公開された自己だと考えるとよいでしょう。
次に② 「盲点の窓」です。これは自分は気がついていないけど、周囲から知られているものです。
意外な長所や思わぬ短所、また思いがけないクセなどが挙げられます。
その次に③ 「秘密の窓」です。これは自分は認識しているけど、周囲には知られていない部分。いわば隠された自己。
コンプレックスや過去の失敗、トラウマなどがこれに相当します。
最後に④ 「未知の窓」です。これは自己開示が不足し、客観的に見られる自分も理解していない状態のことを言います。
なるほど…「開放の窓」「盲点の窓」「秘密の窓」「未知の窓」の4つに分けられるのですね。ただ、これらの窓が、どのように「対人関係の気づき」と関連するのか、いまいちわかりません。
活用方法が気になりますよね。
なので、「ジョハリの窓を活用するメリットとは何か」についてお話ししましょう。
一言で言うと、ジョハリの窓は、メンバーとリーダーそれぞれの強みや弱みなど育成上のヒントを見つけることができるのです。
なるほど。。。強み弱みを理解することは自己分析にも繋がりますし、人と関わる上でも大切ですよね。
そうなんです。そして、各窓の特徴をおさえ、長所と短所について考える必要があります。
①「開放の窓」ですが、自分を正しく認識できており「素直な感情表現ができる」ため、信頼されやすいという長所があります。一方で、ネガティブなことも隠せない短所があります。そのため、適切に自己開示を行なってもらうように方向づけることがポイントになります。
次に②「盲点の窓」ですが、周囲にどう見えているか正しく理解していないので長所・短所の発見が可能な箇所と考えることができます。例えば「独創的な表現をもつ」長所を伸ばしたり、「相手を傷つけたり空気が読めなかったりする」短所が明確になり、改善ができるのです。
自分自身が他人からどのように見えているのか、この視点に齟齬があれば日常生活に支障をきたしそうですね。例えば、自分は真面目な人だと思っていたとしても、面接官から私の見た目や行動からだらしのない人だなと思われてしまってはそこにはマイナスな影響しかないですよね。就活においても、その他の生活においても、そのギャップをどう埋めるかが重要な気がします。
その調子!長所も短所も正確に理解し、適切に対処していくことがポイントなんです。
次に③「秘密の窓」ですが、ありのままの自分を表現するのに消極的という短所を持つ一方で、「控えめで相手を尊重できたり、客観的な自分を理解している」という長所を持ちます。そのため自己開示が不十分な点を改善すればよいのです。
最後に④「未知の窓」ですが、自他ともに理解されていない状況なので、個人情報や傷つかずに済むという長所はありますが、人間関係を構築できないという短所を持ち合わせています。ここは成長や能力開発のヒントにもなる箇所だと考えることができるでしょう。
私個人的には、➂「秘密の窓」の側面を重視したいです。自分のことを上手く表現するのは苦手ですが、他人のことを受け入れ尊重して、客観的に分析することを得意としています。これは自己分析の結果でもありますが、長所はともかく、短所を改善していきたいです。
それでは、具体的にどのように実施すればよいのか、ジョハリの窓の実施方法についても紹介しましょう。
ジョハリの窓には2つの実施手段があります。①は自由記述式、②は選択式です。
①の方法は、紙と鉛筆で、その人が感じている気持ちを正確に表現します。しかし、記述内容が性格面の評価だったり能力面の評価だったりと人によって評価軸の統一性に欠けることが多くなるため運用が難しいかもしれません。
②の選択式は予め評価項目が記入されている用紙に従って評価する方法ですが、一般的には選択式のほうが実践しやすいと言われています。
ジョハリの窓を読み取るときには窓に入った要素の数に加えて、どの要素がどの窓に入っているかを確認・分析することも重要です。
なるほど。。。あまり慣れてない方は選択式で行うのが良さそうですね。人は関わり合いながら生きていかなければなりません。そのためにも、自分本位にならず、客観的な目線を持って生活することはとても重要です。
最後に、実施のコツについて触れておきましょう。
実施メンバー人数は5~10人ぐらいがよいと思います。また、心の開示を行うものなので、信頼関係のあるメンバー同士で行うこと。つまり、初対面の人達同士での実施はしないことに注意が必要です。ジョハリの窓実施時の評価項目はなるべくポジティブなものを選択することも大切です。
人はネガティブなものにチェックしづらいため、できるだけポジティブなものを選ぶことを心がけます。また、無理に参加させないことです。自己開示は心のストレスがかかるため、無理な参加はさせないことが大切になります。
これまでジョハリの窓の内容から実施方法まで詳しく見てきました。相手の立場に立つことを意識したいと思いつつ、私もふとした時にそれが上手くできているかは正直分かりません。自分の強み弱みを捉え直し、自分を客観視するために、自己分析の一環として使用していきたいと思います!
さて、今回は「ジョハリの窓」について学んでいきました。次回は「サーバントリーダーシップ」についてJB先生に教えてもらおうと思います。そもそもサーバントリーダーシップとは一体どのようなものなのか?リーダーシップ論をうまく活用するにはどうしたらよいのか?など、色々と聞いてみたいと思います!ということで、次回もお楽しみに!