【 慶應生が振り返る"国内テレビ局プロジェクト"】


マサチューセッツ州立大学MBA(UMassMBA)卒業生と慶応義塾大学生が共同で、国内テレビ放送キー局の経営課題に関するプロジェクトを実施しました。(プロジェクトの詳細は当記事の最下部)

この一大プロジェクトを振り返ってみて、感じたことや学んだこと等について、プロジェクトに参加した2人の慶應生が学生目線で以下振り返ってみたいと思います。

プロジェクトを振り返ってみて
〜社会人生活や人生において
何をするべきなのか?何に活かせるのか?〜

プロジェクトを終えて
大川:プロジェクトを終えて約半月ほどが経ちましたが、伊藤さんの今の心境はどうですか?私はほっとした気持ちと頑張ったなぁという気持ちが強いです。
もちろんプロジェクトに参加したこと、行動したことには意味があると思います。ですが、ただやっただけ、楽しかった辛かったという感想だけで終わらないように2人で改めて振り返ってみたいです!

伊藤:そうですね。。。私はやはり安堵とやりきったという気持ちが強いです。2人で何回もミーティングを重ねながら、より良いものにできるよう頑張っていた日々が、既に懐かしく感じています笑

プロジェクトの話を聞いた直後 "興味" 
大川:私はまずJBから、「何か慶應生×UMASS生合同のプロジェクトをやりたい」と聞いていて、なんだか楽しそうだなとふわっと思っていました。プロジェクト案がだんだんと具現化し、某キー局ともコラボ、「その課題解決のための案をプレゼンとして提案する」と聞き、私はよく分からないなあ、先が見通せないという得体の知れない不安感と、こんな機会滅多にないからぜひ参加させて貰いたい!という気持ちが入り混じっていて、なんだか不思議な感覚でした。

大川:慶應生に何人か声をかけて欲しいと言われたので、知り合いに声を掛けまくったんですが、「予定が合わない」とか「難しそう」という理由で断られ続けていました(涙)。なので、伊藤さんがやってみたいと言ってくれて、本当にホッとしたんです笑

伊藤:いやいや笑 私は「こんなの私がやっていいの!?誘ってくれありがとう!」が私の最初の返事だったんじゃないかな? もちろん絶対ムズイやつじゃん、私にできるのかな?という思いもありました笑 でも、私は基本的に「なんとかなるだろう」精神が強いので、挑戦してみたいと瞬時に思いましたね。なんだかよくわからないけど、とりあえずやってみようって。

実際にプロジェクト開始、調査に入った時 "不安"
大川:初顔合わせで皆さんにお会いして、プロジェクトの方向性などを決めていき、実際にプロジェクトが始動しましたね。その時の心境はどうでしょう?

伊藤:皆さんにお会いして、初回は簡単な自己紹介と方向性を決めるだけでした。正直、社会人の方ばかりで仲良くもなれなかったので、この先どうなるんだろうと不安を感じていました。何の知識もない素人の学生が、何ができるのかな?とも思っていましたし、調査がスタートしてもついていくので精一杯でした。

大川:私は皆さんのスピード感が1番驚きましたね。仕事や家庭もありつつ、「何日までに〇〇やっておきましょう」っていう期日までに終わらせるのはもちろんのこと、ミーティングの次の日にはそれに+αして、他が動きやすいように議題や課題を提供する。皆さんと同じことをやれるとは最初から到底思っていませんでしたが、やはり関心する反面、置いていかれてる気持ちはあったかもしれないです。なんなら、素人だし学生の自分にはどうせ無理だと諦めも入っていました。

中山先生へのインタビュー "転機と責任感"
大川:プロジェクトの途中、コンテンツや当該分野に詳しい中山先生へのインタビューの仕事が私たちに割り当てられましたね。中山先生が慶應大学の先生ということもあって。あそこが私たちにとってターニングポイントになったような気がするのですが、伊藤さんはどう思いますか?

伊藤:確かに!あそこは私たちにとって重要な部分だったと思います。
他にも割り振られた仕事はありますが、それについてはどう調べれば良いのかも分からず手探り状態でした。先生へのインタビューはお互いが何を質問すれば良いのか意見を出し合い、どうすればその後に繋げられるのか話し合いましたね。実際の日本の現状や先生のご意見を聞く中で、私もプロジェクトに対し実感を持てるようになりました。そして、予想以上に外国に遅れをとっていて、早急な対処が必要であり、そんなメッセージを伝えたいと思いました。

大川:ほんとに私もそう思います笑
こんなこと言ったら怒られるかもしれませんが、正直、最初私たちは言われたことをやるだけとか、参加させてもらうだけという意識でした。しかし、この仕事は、プロジェクトにとって非常に意味のある裏付けとなるインタビューになるということも分かっていましたし、多忙な中山先生のお時間をいただいているということ、私たちが主導となって動く責任感もありました。プロジェクトの話がよりリアルになり、“当事者意識”を持つ良いきっかけとなったのではないでしょうか。某キー局に、日本の現状と当局の現状に危機感を持ってもらうという、プロジェクトの真の方向性というか、伝えたいメッセージが定まったのもこの時でした。

最終ミーティング (仮)×3 "パニック"
大川:いよいよ最終ミーティングの時となりました。(仮)としているのは、本来最終ミーティングの日であったということで、実際は本番まで毎日ミーティングを最低3回ほど実施していたのでこうしました 笑 本来ならば、この日はプレゼンの発表練習ということで、全てを完成していなければなりませんでした。しかし、まだプレゼンするには程遠くめちゃめちゃ焦っていた記憶があります。ゼミ合宿も重なり時間もない中、隙間時間を見つけては2人で話し合いを重ねていましたね。

伊藤:ほんとに、間に合わないと思っていました。本番が近づく中、スライドも原稿も完成状態とは言えず、やばいやばいと話していましたよね。そんな中でも、電車の中や隙間時間を見つけては、原稿を作り、ああでもこうでもない、こうした方がいいんじゃないと話し合い少しでも進めていました。
合宿から帰りいざミーティングに臨むと、他の人も終わっていなくて、皆焦っていたような感じがしました。そんなリアルが垣間見えましたね。

本番前ミーティング "真剣勝負" 
大川:いざ本番の前日となり、本当の最終ミーティングが始まりました。ミーティングは夜中まで続き、約3時間通しで行われました。その時、私は皆さんの真剣さや本気さ、プライドというものを肌で感じた記憶があります。日々寝不足だったので辛かったですが、やってやるぞ!という皆さんの強い意志に私も引っ張られ、「私も頑張る」と決意を固めていました。

伊藤:本番まで2人で毎日のようにミーティングを重ねていましたが、全体ミーティングになると、皆さんの熱量が高かったですよね。全体を通してこの提案を見るのは初めてだったのですが、1人1人のプレゼンの流れ、時間配分の重要さを実感しました。

当日、プレゼンを終えて "解放" 
大川:やっと当日を迎えることができました。あっという間だったような、長かったような、そんな感覚でした。伊藤さんは、初対面の某キー局の皆さんを前にプレゼンをした時の気持ちや終った後の心境はどうでしたか?

伊藤:もうプレゼンをしている時は頭が真っ白で、正直あんまり覚えてないです笑 プレゼン自体は大学でもやっていたりしますが、その時とは比にならないくらい緊張しましたね。某キー局の皆さんが予想以上に真剣に聞いてくださり、たくさんの質問をされて少し焦ってしまいましたが、プロジェクトの仲間に助けられました。

大川:私ももちろん緊張はしていましたが、あとはプレゼンだけという気持ちだったので、逆にリラックスしていたような気がします。伝えたいことを伝えられるように、余計な力を抜くことを意識していました。終わった後は、終わった〜という安堵感はありましたね。
プレゼン全体を通して感じたこととしては、時間管理に気をつけた方が良いと感じました。元々持ち時間や配分を決めてはいましたが、質問タイム等の影響で長引いてしまい、結局後半が駆け足になってしまいました。予想よりも時間に余裕を持って進めることが本当に重要だと理解しました。その範囲で伝えたいことをきちんと伝え切ることですよね。

打ち上げ、食事会 "懇親"
大川:打ち上げで神楽坂の和食屋さんに連れて行ってもらいましたね。とてもオシャレでしたし、料理も美味しかったです。皆さんに温かく受け入れてもらい、感謝しかありません。プロジェクトの話もさながら、就活の話も聞いていただけたのは嬉しかったです。

伊藤:あそこのお店よかったですよね!美味しいお酒とご飯をいただいて、とても素敵な空間でした。最初から最後まで、本当に貴重な体験をさせていただきありがとうございました!!

最後に…
大川:このような貴重な機会を頂き感謝しかありません。関わらせていただいた全ての方に感謝申し上げます。普段関わることのない方と一緒に社会人体験を出来たことは、私にとってかけがえのない経験です。私がどこまで貢献できたのかは未知数ですが、局が日本の経済と現状を変えてくれることに期待を持っています。自分が何か大きくできるとは思っていなかったものの、先輩方が優しく教えてくださったりリードしてくださるおかげでここまで来ることが出来ました。このプロジェクトを通して、少しずつ精神的に成長したり、コミュニケーションの大切さ、共同作業等を学びました。例えば会社に入った時、私たちは基本的に皆何の知識もなく、何も分からず放り込まれます。右も左も分からぬ中、そこで成果を出す人と出せない人の違いは、向き合い方や姿勢といった部分に通ずると考えています。プロジェクトとその経験が、これから先の学生生活、社会人生、人生において、必要不可欠な要素を教えてくれたような気がします。時間の使い方や責任感、仕事に対する向き合い方やプライドといった点も大きく、就活生の皆さんにもそんな感覚が伝われば幸いです。

伊藤: 貴重な機会を本当にありがとうございました。一緒にプロジェクトを進めてくださったメンバーの方はもちろん、プレゼンを真剣に聞いてくださった局の方達にも深くお礼申し上げたいです。自分が学生の間に社会人の方とプロジェクトをするなんて想像もしていませんでした。あっという間の1か月ではありましたが、社会人メンバーの皆様が本当に温かく見守りそして引っ張ってくださったお陰で、何とかプロジェクトが終結しました。このプロジェクトでは社会人の方の仕事をする姿を身近で見ることができたため、そこから得られるものが多くありました。具体的には本業や家族の時間と並行しながらこのプロジェクトに時間を割き、熱意をもって取り組む社会人メンバーの方達の姿に感銘を受けました。30代40代になっても自分自身を成長させようという向上心に満ち溢れており、そのパワフルさに圧巻されました。自分も社会人になっても自分自身を驕ることなく成長し続けたいと強く感じました。このプロジェクトが自分の糧にしこれから就活やそれ以降の社会人生活で生かしていきたいです。貴重な機会を本当にありがとうございました。

【プロジェクト概要について】

対象となる国内キー局では、これまでテレビ放送やコンテンツ制作、広告事業を中心に幅広く事業を展開してきました。しかしながら日本国内市場は成熟期を迎えており、人口減少や視聴者層の変化などの状況から、国内のみの売上では大きな成⻑を見通すことは容易ではないとの課題が浮上しています。このような背景から、持続的な成⻑を図るため、新たな収益源を求め、海外市場への進出を強化することはとても有効な手段との考えがあり、既に一部の地域に事業展開しているものの、さらなる売り上げの展開の余地があると認識していました。そこでこの度、「国内キー局の経営戦略担当者として、海外市場で100 億円以上売り上げるための具体的な事業戦略を提案」というテーマでプロジェクトへ課題が課されました。

このテーマに対して、UMassMBA学生と慶応義塾大学生からなるプロジェクトチームでは、海外市場での売上を飛躍的に伸ばすために、詳細な市場分析に基づき、国内キー局の強みを最大限に活用した戦略的なアプローチを組み立て発表しました。

当日はプロジェクトチーム5名(+UMass講師2名)により、海外戦略センターのメンバーに向けて、1. 海外進出が重要である背景、2. 国内コンテンツの海外市場機会、3. 海外進出案のアジェンダに沿い、各パートの担当より発表が行われました。1.では対象企業や競合、参考企業の分析から海外進出の重要性を説き、2.では市場環境や海外事例より今あるアセットの海外対応や人材の示唆を、3.では海外進出時のターゲットとなる地域毎に向けてLLMなども活用した展開案を、最後に収益への落とし込みを提示して締めくくり、プロジェクトの報告を終えました。